熊本県内において、2013年11月に鹿児島県の宇治群島で釣ったハタ科の魚を食べたことによる食中毒が発生しました。
食中毒の原因は、パリトキシン様毒という有毒成分と思われます。
パリトキシン様毒をはじめとする有毒魚による食中毒に注意しましょう。
パリトキシンは、渦鞭毛藻類(植物性プランクトン)によって産生されアオブダイなどに食物連鎖によって蓄積されることが知られております。
【パリトキシン様毒の特徴】
*原因食品:アオブダイ、ハコフグ類、ウミスズメ(推定)、ハタ科マハタ属、ソウシハギ等
*潜伏時間:12?24時間
*症状
激しい筋肉痛(横紋筋融解症)が主症状で、呼吸困難、歩行困難、胸部の圧迫、麻痺、けいれんなどがおきることもあります。また、重篤な場合は死にいたることもあります。
しばしば黒褐色の排尿(ミオグロビン尿症)を伴います。
【パリトキシン様毒による食中毒の発生状況】
1953年5月から2012年4月までに39件、患者121人(うち死者7人)の発生の記録があります。
☆☆市民の皆様へ☆☆
有毒魚による代表的な食中毒は、パリトキシン様毒の他に神経症状を主に起こすシガテラ毒やフグによる食中毒などがあります。次の点に注意をしましょう。
〇種類がわからない魚や見慣れない魚を釣った場合は食べないでください。
〇フグの素人調理は絶対に行わないでください。
〇体調が悪くなったら、すぐに医療機関を受診してください。
☆☆医療機関、医療従事者の皆様へ☆☆
筋肉痛(横紋筋融解症)、血清クレアチンホスキナーゼの急激な上昇などの所見がみられる場合は、喫食状況と併せてパリトキシン様毒による食中毒の可能性についても考慮いただきますようお願いします。
*有毒魚に関する詳しい情報は、厚生労働省のHP「
自然毒のリスクプロファイル」(<<<ここをクリック)を参照ください。