
HACCPについて
食品の安全確保を図る製造方法として国際的な標準とされているのがHACCPシステムです。この考え方は、あらゆる食品の製造や家庭での食中毒予防にも取り入れていくことができます。
HACCPとは?
原材料から最終製品までの「食品の製造工程」において、それぞれの段階で危害分析を行い、生物的危害(病原性の細菌)、化学的危害(有害物質)、物理的危害の発生を未然に防ぐためのシステムです。
もともとは、1960年代のNASA(米国航空宇宙局)のアポロ計画で宇宙食の安全性確保のために構築され、従来のような最終製品の抜き取り検査で安全性を保証する方式でなく、技術的、科学的な根拠に基づいて連続的に管理状態をモニターし、すべての製品を安全に作る目的で開発されたものです。
また、わが国では1996年に腸管出血性大腸菌O157による大規模な食中毒が発生して以来、広く注目されるようになりました。
Hazard(ハザード) →危害 |
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HACCPとは上に示したとおり、英語の頭文字をとった略称で、「危害分析重要管理点」と訳されています。
具体的には、食品の製造工程において、食品取扱い環境の衛生管理を整備した上で、
- 工程別に発生する食中毒の原因菌などの危害を分析
- 特に重点的に管理する必要のある製造工程を「重要管理点」として設定
- 重要管理点が適正に管理されているか、連続的にチェックし、異常を確認した場合は改善する
これらの作業をマニュアルとして作成するとともに、管理結果を文書として記録しておきます。
HACCPシステムのメリット
- 食品の安全性の向上
- 競争力の強化
- 組織全体の意識の一体化
- 科学的な裏付け
- 安全性の持続
重点的に管理する箇所が明確になり、今まで以上に安全な食品が製造できます。
HACCPを導入することで、安全な食品として、競争力の強い商品となります。また、不良品発生率も低下するため、経済的にも有利です。
経営者や現場の責任者、作業従事者が一体となって取り組むことで、組織全員の製品に対する理解や衛生知識が向上します。
これまで勘や経験で行ってきた技術を科学的に裏付け、わかりやすくマニュアル化することで、経験の浅い人でも危害防止に対する高い意識をもつことができます。
定期的な検証により、衛生水準が保たれます。